兄弟の絆に涙!実話『キセキ-あの日のソビト-』感想とソビトに込められた意味

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草原に佇むソビト

想い描いた夢に誰もが辿り着けるわけではない。
それは、諦めであったり、挫折であったり、辿り着けなかった理由は人の数だけ存在する。

映画『キセキ-あの日のソビト-』は、GReeeeNの名曲『キセキ』が誕生するまでの実話をもとに描いた、夢追う兄弟の絆の物語です。松坂桃李と菅田将暉のW主演でも大きな話題を呼びましたね。

GReeeeNの楽曲といえば、そのストレートな歌詞と親しみやすいメロディが特徴的で、聴いているだけで楽しくなったり、落ち込んでいても前向きにさせてくれる不思議なパワーがあります。私はGReeeeNのデビュー当時から聴いていた世代でして、当時の楽曲の『』や『キセキ』を聴くと懐かしい青春時代の記憶が蘇ってきます。まぁそんな大した青春時代を送ってきたわけではないのですが、「GReeeeN=青春」というのが私の中にはあるのです。きっと私と同じような人は多くいるのではないでしょうか。そんな世代の人にこそ『キセキ-あの日のソビト-』という映画を見てほしい。「感動の実話」というキレイな言葉では表現しきれないほどの「兄弟のドラマ」がそこにはあったのです。

今回は『キセキ-あの日のソビト-』の感想と、サブタイトルの「ソビト」という言葉に込められた意味劇中に登場するグリーンボーイズの楽曲についてご紹介します。

 

『キセキ-あの日のソビト-』ってどんな映画?

【あらすじ】
医者である父の反対を押し切り音楽の道へ進む兄のジンは、メジャーデビューを目前になかなか思うようにいかずにいた。ある日、父の期待に応えるため歯医者を目指す弟のヒデが、大学の友人と一緒に作った曲を持ってジンのもとを訪れる。その曲を聴いたジンは、ヒデには音楽の才能があると確信し、曲作りに協力することに。父には知られないように、ヒデの歯医者への道も閉ざさないように、そう考えたジンは、ヒデたちに顔出し無しでのメジャーデビューを提案するのだった。

【基本情報】
監督:兼重淳
出演:松坂桃李、菅田将暉、忽那汐里、横浜流星、成田凌、杉野遥亮
主題歌:GReeeeN『ソビト』
公開:2017年

 

 

『キセキ-あの日のソビト-』の感想

「自由」を求めれば必然的に責任がつきまとう。やりたいことを好きなようにやり続けることは案外難しい。「自由」と「不自由」は紙一重なのだ。

兄ジンと弟ヒデの前には、厳格な父が絶対的な存在として立ちはだかっている。医者である父を前に、医療の道を進むヒデに対して、音楽しかないジンは必死にメジャーデビューを目指す。音楽の道を全否定する父を納得させようと踏ん張るも、デビュー目前にしてバンドメンバーの気持ちはバラバラ、ジワジワと焦りがジンの首を締めていく。

 

売れなきゃダメなんだよ!

その言葉が全てを物語っていた。

着実に前へ進む弟に対して、すぐそこに掴めそうな夢があるのに掴むことのできない兄。焦る気持ち、後がない、兄であることの誇りと父への証明。なぜあと少しが届かない・・・。

 

ヒデを光とするなら、ジンは影だ。相反する存在でありながら、互いに互いを必要とする存在。ヒデとジンという光と影の絶妙なバランスこそが、この映画の魅力を引き出しているファクターであるが、影の存在であるジンの役割は非常に大きい彼こそがこの映画の真の主人公であるように思う。

もちろんヒデにはヒデなりの苦悩がある。ジンと同じようにヒデも音楽の道に興味はあるが、両親の期待を裏切ることはできない。音楽の道に目がいくと、大学の勉強に支障が出てしまう。両方を続けるなんてことが自分にできるのか。音楽と勉強の両立は決して容易ではないのだ。顔には出さないが、そのプレッシャーは計り知れないものだろう。

しかし、ジンはそれ以上に苦悩の道を歩んでいくこととなる。結局バンドはうまくいかず、ヒデに音楽の才能を感じたジンは、弟が大学で結成したグループ「グリーンボーイズ」に協力することに。弟を応援したいという気持ち自分の音楽に対する悔しさどうしようもない怒り、あらゆる感情が入り混じった表情は、いつかその感情が爆発してしまうのではないかと思わせるほどであった。ジンを演じた松坂桃李の演技は、表情・セリフ・佇まい、その全てが本当に素晴らしく、何度も涙を誘った。

やがてジンはヒデにメジャーデビューの道を託し、GReeeeNをアシストする側へと歩めを始める。それが彼が選択した道であり、兄としての弟への優しさでもあった。ヒデに対してキツイ言い方をしたり、気を張り突っ張った態度をとっていても、大切な弟のことを放ってはおけない。ヒデのデビューを一番嬉しく思っているのもジンなのだ。

そして、兄弟の絆の物語は名曲『キセキ』の誕生へと繋がっていく。

 

自分の身の丈にあったこと

それは諦めか、それとも新たな道(夢)か。その選択は正解かもしれないし、失敗かもしれない。どの選択をするかは重要ではない。これから自分がその事実とどう向き合うかである。この先の未来、私たちも人生の岐路に立たされることがあるだろう。受験、就職、結婚、出会いと別れ、訪れる選択の時は人それぞれ違う。ただひとつ、言えることは「決断」の時は必ずやってくるということだ。自分にとって良き選択をし、その決断と真摯に向き合っていきたいものである。

 

「ソビト」に込められた意味とは

サブタイトル『あの日のソビト』にある「ソビト」とは、GReeeeNによる造語で、漢字にすると「素人」「空人」と書くようです。その言葉には、自由に新しいことへ挑戦していく人という意味が込められています。

ジンやヒデやGReeeeNのメンバーは、映画で描かれたあの日まさに「ソビト」そのものでした。あの頃があったからこそ今がある、そしてまた未来へと繋がっていくのです。

現在は音楽プロデューサーとして活躍するJIN本人によって書かれた映画公開を祝う手紙には、「これ(映画)を見た日本中、世界中のソビトの背中を押すことができたら。これを見た人がいつまでも、ソビトな気持ちを忘れずにいてくれたら、少しでも世界のどこかのキセキの手助けができたなら。」というメッセージが寄せられていました。そして彼自身も「これからもソビトとして走り続けます。」と。

いつまでも「ソビトの気持ち(初心)」を忘れず歩んでいくことが、これから先の私たちの人生にとっても大きな意味をもつことは間違いありません。歳をとるとだんだん新しいことへ挑戦することにブレーキをかけてしまいがちですが、数年前、数十年前かつてソビトだった自分を思い起こし未来を歩んでいけたら、自分に新たな変化が生まれるかもしれませんね。

 

 

グリーンボーイズの楽曲を聴きたいなら!

『キセキ-あの日のソビト-』に登場する、菅田将暉、横浜流星、成田凌、杉野遥亮によるユニット『グリーンボーイズ』の楽曲は、実際にCDが発売され、音楽配信もされています。GReeeeNの雰囲気を受け継ぎながらも彼らなりにアレンジされた楽曲は、本家とはまた違った良さがありますよね。

 

松坂桃李演じるジン率いるメタルバンド『ハイスピード』の楽曲は、残念ながらCD発売も配信もされておりませんが、ブルーレイ&DVD「キセキ-あの日のソビト- 豪華版」の映像特典として『the way』という楽曲のフルバージョンが収録されているようです。気になる方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

 

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