春、それは出会いと別れの季節。
少しの不安と大きな期待を胸に、その一歩を踏み出したあの頃を懐かしく想う人、これからその一歩を踏み出そうと心待ちにする人、「春」は一年の中でも特に人生の転機となることが多い季節ですよね。
大ヒットコミックを原作に実写化された映画『四月は君の嘘』は、そんな「春」を舞台に冴えない音楽少年「有馬公生」と天真爛漫な音楽少女「宮園かをり」の出会いと別れを描いた青春ラブストーリーです。そして、目の前にある悩みや困難を乗り越え、前に進もうとする彼らの成長の物語でもあります。むしろ恋愛よりも、前に進むため彼らが歩んできた軌跡を描いたドラマ要素の方が強いのかもしれませんね。
そして『四月は君の嘘』といえば、そのタイトルは何を意味しているのか、気になる方も多いのではないでしょうか。公式でも説明はされていないのですが、一体どんな意味が込められているのか私なりに考察してみました。
今回は、実写映画『四月は君の嘘』のタイトルの意味と、原作漫画と映画の違いについてご紹介いたします。
目次
『四月は君の嘘』ってどんな映画?
有馬公生は幼い頃、ピアノコンクールの常連で何度も優勝していた。クラシック界では有名な人物だったが、ある理由からピアノが弾けなくなっていた。そんなある日、ヴァイオリニストの宮園かをりに出会う。
引用元:MIHOシネマ
【作品情報】
監督:新城毅彦
原作:新川直司『四月は君の嘘』
出演:広瀬すず、山﨑賢人、石井杏奈、中川大志、板谷由夏、檀れい
主題歌:いきものがかり『ラストシーン』
公開:2016年
『四月は君の嘘』のタイトルの意味
「四月」は有馬公生にとって「かをりの嘘」を思い出すかけがえのない季節なのだと思います。初めて出会ったあの時も、そしてこれからもずっと。タイトルのまんまですが「四月」=「君の嘘」という想い(イメージ)が彼の中にはあるのでしょう。そして、かをり同様に、演奏家として表現者として生きる公生にとって「四月」は、「かをりの嘘」の色を感じる季節でもあるのだと思います。
順番に解説していきましょう。
まず、『四月は君の嘘』という作品には、原作漫画・アニメ・映画を共通してサブタイトルがあることをご存知でしょうか。これがまた小さく書かれていてとても分かりづらいのですが、このサブタイトルこそが大きな意味を持っているように思うのです。
「I met the girl under full-bloomed cherry blossoms. and my fate has begun to change.」
翻訳すると、
「僕は満開の桜の下でその少女と出会い、そしてその瞬間から僕の運命は変わり始めた。」
となります(と思います)。
満開の桜といえば「春」のことですよね。そして「公生」と「かをり」が出会ったのは作品名にあるように「四月」、そう「春」なのです。実は、この出会いのシーンが映画だとなぜか緑色の葉をたくさんつけた「満開の緑」状態で、サブタイトルと全く一致していないのですが、原作やアニメだとサブタイトル通り「満開の桜」の下で出会うシーンがしっかりと描かれています。
心に闇を抱える公生にとって、かをりとの出会いがもたらす影響はとても大きなものでした。キラキラと輝く彼女に引っ張られるように、彼の中で止まってしまっていた歯車が動き出し、運命が変わり始めたんです。この出会い、そして「ひとつの嘘」があったからこそ、公生は少しずつ顔を上げ前に向き進み出せるようになったのですね。ネタバレになるので、どんな嘘かは言えませんが、既に映画を見た人はわかるはずです。
映画冒頭で流れる、かをりの「ねぇ、今、君の世界はどんな色をしてるの?」という言葉に対して、応えるかのような公生の「僕の世界は、この鍵盤のようにモノトーンだ」という言葉。映画の終盤で描かれる2度目の春、きっと公生の目には「かをりの嘘」の色が映っていたのではないでしょうか。
上はあくまで私なりの考察ですが、『四月は君の嘘』というタイトルの解釈は人それぞれあると思います。というか、そうなるように仕掛けられたタイトルなのかもしれません。そもそも「君」とは誰のことなのか、公生もかをりも互いに「君」と呼んでいたわけなので、実際どちらの言葉なのか定かではありません。考え出すと切りがないですが、どちらにせよ素敵なタイトルであることに間違いありませんよね。
原作漫画と映画の違い
映画化するにあたり、2時間という限られた時間に納める必要があります。さらには、キャストに合わせた設定へと変更するなんてことも実写化にあたってはよくあることでしょう。実は、この改変のひとつが『四月は君の嘘』の原作ファンに物議を醸していたりもするのですが、それも含め原作漫画と映画の違いをまとめてみました。
※こちらは少しネタバレを含んでおりますので、気にされる方はご注意を。
公生たちの年齢を変更
原作では公生やかをりは中学3年生の設定なのですが、映画では主演の「山﨑賢人」や「広瀬すず」の年齢に合わせて、高校2年生という設定に改変されています。これは話題性のあるキャスティングのためもあるでしょうが、中学3年生に見えない役者を無理やり設定変えずにやるにはさすがに違和感がありますので、致し方がない改変ですよね。
なぜ高校3年生ではなく2年生なのかという点については、できるだけ子どもらしさが残る年齢にしておきたかったのでしょう。原作での中学3年生というと将来について少し考え出したりしつつも、まだまだ子どもらしさの残る年齢でもあります。そういった思春期の難しさを残す意味でも、高校2年生という設定がベストだったのかもしれませんね。
公生がかをりに告白する
これが先ほど言った、原作ファンに物議を醸した改変になります。私も、この改変はさすがにちょっとなぁと思ってしまいました。
有馬公生というキャラクターは、とても「好き」と告白するような積極的な性格ではないんです。内気なんですよ。さらに公生は、かをりが渡亮太の事を好きだと信じているわけで、大切な友達である彼を差し置いて告白するなんてことしないんですよね。
2時間に収めるため公生の感情を明確にさせたかったのかもしれませんが、この改変はキャラクターの根幹に関わる部分ですし、結果、原作ファンの反感を買う形になってしまいました。
ライバル「相座武士」「井川絵見」が登場しない
映画には登場しませんが、原作では結構重要な立ち位置として「相座武士」と「井川絵見」というライバルが存在します。2人とも公生と同じピアニストであり、演奏家である公生の成長を描くにあたり、良きライバルとして登場する魅力的なキャラクターたちです。
原作ファンの立場からいうと、やはり彼らの存在なしでは『四月は君の嘘』ではない。と思ってしまいそうにはなりますが、そこまで盛り込んでしまったら、とても映画の2時間には収まりきらないので、彼らを登場させなかったのは正解だと私は思っています。中途半端に描かれるくらいなら出さないほうが・・・という気持ちもありますが。
さいごに
私は原作漫画とアニメを既に見ていたのですが、漫画は全11巻、アニメは全22話と、決して短くはない物語を約2時間に上手くまとめられていたように感じました。もちろん登場しない人物や省略されたエピソードはありますが、そこは映画化にあたり致し方ないところだと思います。原作ファンの方はいろいろと思うこともあるでしょうが、実写映画としてはなかなか良い仕上がりなのではないでしょうか。
いきものがかりが歌う主題歌『ラストシーン』も、作品の内容をしっかりと表現されていて、とても良い曲に仕上がっています。公生やかをりのことを想いながら聴くと、何度聴いてもジーンときてしまいますね。
映画『四月は君の嘘』は、原作未読の方にもおすすめできる作品ですので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
逆に原作やアニメを見ていなくて、映画で初めて『四月は君の嘘』を知ったという方は、原作の漫画はもちろんアニメもすごくクオリティが高く面白いのでオススメですよ。ぜひ。
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※本ページの情報は2020年11月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。