川栄李奈の初主演、そして名優・大杉漣の遺作ともなった映画『恋のしずく』。日本三大酒処である酒都・西条を舞台に、ワインソムリエを目指す農業大生の橘詩織(演:川栄李奈)が不運にも実習先となってしまった酒蔵・乃神酒造での日本酒造りを通して、様々な人と出会い、学び、成長していく青春映画です。日本酒が好きな方も苦手な方も、その魅力を存分に感じることができる内容にもなっています。
主人公の詩織や蔵元の息子・乃神莞爾(かんじ/演:小野塚勇人)が前に進もうと奮闘する姿、なかなか見ることのできない伝統的な日本酒造りの工程も、もちろんこの映画の魅力ですが、もうひとつ『恋のしずく』を語る上で忘れてはならない大きな魅力があります。
その魅力とは、西条含め『恋のしずく』の舞台となった東広島市周辺の美しい景色や街並みです。実習先のモデルとなった酒蔵、詩織たちが歩いた酒蔵通り、物語の始まりと終わりに登場する駅、願掛けに歩いた広島市内の橋など、一度は行ってみたくなるロケ地(聖地)が数多く登場します。
その中から一度は行ってみたいロケ地を10カ所ご紹介します。ネタバレなしの感想もまとめましたのでお時間ある方はぜひ!
目次
『恋のしずく』ってどんな映画?
ワインソムリエを目指していた大学生で理系女子のヒロイン。農大の実習にてなぜかワイナリーではなく、日本の酒蔵へ行くことに。ヒロインは日本酒が苦手だったが、酒造りに携わることで次第に日本酒の魅力へと引き込まれていく。
引用元:MIHOシネマ
【作品情報】
監督:瀬木直貴
出演:川栄李奈、小野塚勇人、宮地真緒、中村優一、大杉漣、小市慢太郎
主題歌:和楽器バンド『細雪』
公開:2018年
『恋のしずく』おすすめロケ地10選
『恋のしずく』は現地を中心にオールロケで撮影されています。そのため、映画に登場する景色や街並みが割とまとまっているので、聖地巡りをするのに最適です。美しい景色や、古き良き街並み、思わず喉を鳴らしてしまうようなグルメなど、たくさんの魅力あるスポットが映画には登場しますが、その中でも一度は行ってみたいロケ地を10カ所まとめました。聖地巡りの参考にしていただけたら幸いです。
西条駅周辺
①西条酒蔵通り
詩織たちがよく歩いていた白壁がきれいな酒蔵通りです。JR西条駅前の通りに7社の酒蔵が並んでいます。
②仏蘭西屋
詩織と美咲(演:宮地真緒)が、日本酒を使った名物料理「美酒鍋」を食べたお店です。壁に並べられた徳利と日本画が美しく印象的でした。
③ちゅうしん蔵
美咲に誘われ、詩織と有重(演:中村優一)が初めて会ったお店です。日本酒が苦手だった詩織に有重が、その美味しさと深さを伝えるシーンは「とりあえず今夜は日本酒にしよう」と思わずにはいられませんでした。
東広島・呉周辺
④柄酒蔵
吟醸酒発祥の地される安芸津町にある、乃神酒造のモデルとなった酒蔵です。
⑤広島大学
詩織が通う農業大学のロケ地。映画では東京とされていますが、実は大学も広島で撮影されていたのです。
⑥ウッドハウス
詩織と美咲が料理と共に日本酒を楽しんだお店。ワイン同様に日本酒が様々な料理に合うことを知りました。
⑦安芸津駅
物語の始まりと終わりが描かれた駅。映画では、乃神酒造など西条の酒蔵の最寄り駅として撮影されました。JR呉線の駅です。
⑧亀山神社
「七つ橋巡り」の拠点となった神社。詩織と莞爾が2人で歩くシーンが蘇ります。
その他のロケ地
⑨七つ橋巡りスポット
詩織、美咲、莞爾が「七つ橋巡り」をするスポット。こちらは東広島市ではなく、広島市内の橋がロケ地として使われています。美咲と有重の印象的なシーンを撮影した「観音マリーナ海浜公園」も広島市内にあります。
⑩竹原市忠海町
エンディングで詩織が乗った電車が海沿いを走る姿を撮影した場所。空から映された瀬戸内海はまさに絶景。こんな景色を走る電車、一度は乗ってみたいですよね。
さらに詳しく知りたい方は
ご紹介した10カ所のロケ地や映画に登場するその他のロケ地について、さらに詳しく知りたい方は、「東広島市ホームページ」の『恋のしずく』特集ページがおすすめです。ロケ地マップのパンフレットもアップされていますので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
川栄李奈が聖地を巡る『川栄李奈 酒都・西条へ』という本も出てますので、興味のある方はぜひ。
『恋のしずく』の感想
一意専心。一つのことを追求し続けるというのは素晴らしいことですし、誰にでもできることではありません。しかし、それと同じくらい新しいことに挑戦することは大切なことだと思います。新しいことを知るのは時間がかかる分そこから得るものも大きい。そういう経験をすることで、今まで気づくことのなかった自分に出会えたり、元々続けてきたことと意外な形で繋がったりと、新規開拓することはなかなか面白いものです。
東京の農業大学に通うリケジョの主人公・詩織は、なんと「神の舌」なるものの持ち主。銘柄を隠したワインを試飲して言い当てるブラインドテイスティングという凄技まで出来てしまうのです。将来の夢はもちろんワインソムリエでして、もうそのために生まれてきたと言っても過言ではありません。
この先、有名ワイナリーで実習を受け、海外留学してさらに経験を積み、ワインソムリエとして第一線で活躍。そんな夢に描いた輝かしい未来への道を歩むはずでしたが、現実はそう甘くはなかった。人気のあるワイナリーへの実習は抽選から外れ、詩織は広島県の西条で日本酒を作る乃神酒蔵へ実習に行くことになってしまうのです。もはやワインですらない。しかも日本酒は苦手。ところがこれが詩織を新しい運命の道へと誘ってゆくわけです。(留学に必要な単位のため実習には行かざるを得なかった。)
ありがちかもしれないですが、この展開がなかなか面白い。詩織にとっての日本酒造りという新しい挑戦は、映画を見ている私たちにとっても新しい知識として蓄積されます。詩織と一緒になって日本酒造りを学ぶという疑似体験をすることができるんですね。もちろん工程の全てを解説されているわけではありませんが、日本酒というものの良さが存分に伝わってくる構成になっています。既に日本酒に詳しい人ももちろんいますが、そうではない人にとってはこれが新鮮であり快感なのです。
余談ですが、見始めたときの予想としては、天性の神の舌を武器に日本酒造りでも驚くべき才能を発揮して、新作の日本酒づくりの一翼を担うって流れかと思ったのですが、いやちょっと大げさですが、神の舌が活躍する場面があるのかと思いきやほぼナシ!これはそもそもその設定必要だったのかと思ってしまいました・・・。まぁ、見ている側も途中からその設定を忘れてしまうんで、そこまで気にすることではないのですが。きっと、それだけワインソムリエとしての才能に恵まれていたのに、というギャップを強くするためなのでしょう。
公式ホームページの紹介では「幻の日本酒造りと恋を巡る、感動の物語が誕生」とありますが、恋模様をチラチラと見せつつも基本的には日本酒造りを通した詩織と莞爾の成長がメインとなります。
大杉漣が演じる蔵元・乃神輝義が伝統を大切に酒造りをするのに対し、厳しい現実を打破すべく酒蔵にも新しい視点を取り入れていくべきだと模索する息子の莞爾。どちらも酒蔵を守りたい気持ちは同じなのに、ぶつかり合ってしまう。そんな中でどうするのが正解なのか悩み、自分なりの答えを探し続ける莞爾の姿に、詩織や美咲、杜氏の坪島(通称:おやっさん)も心動かされていきます。蔵元亡き後、酒蔵の皆を縁の下から支えるおやっさんを演じた小市慢太郎は流石の貫禄でした。主人公でありながら、伝統を重んじる酒造りに対して決してでしゃばることなくひた向きに取り組む姿がリアルで、川栄李奈の素朴な演技も好印象でした。
そして恋愛要素を後回しにしたことが、詩織というか川栄李奈によるラストシーンの会心の一撃の威力を最大限に高めているわけですが、それは映画を見てのお楽しみということで。エンディング曲である和楽器バンドの『細雪』が流れるタイミングも最強でした。ラストシーンをあえて歌なしのオーケストラアレンジで繋いだのがすごく良くて、どっぷりとラストシーンの余韻に浸ることができました。
『恋のしずく』は、劇中で描かれる日本酒造りのように、映画自体も非常に丁寧に作られています。「捻りがない」「よくある話」と言われるかもしれませんが、この作品はそれで良い。いや、そうあるべきなのだと思うのです。ゆっくり流れる時間の中に身を任せ、しっかりと丁寧にまっすぐな気持ちで、そんな制作陣、俳優陣の温かさを感じる作品でした。
蔵元・乃神輝義を演じた大杉漣の存在感
莞爾(かんじ)の父であり、詩織の実習先の乃神酒造の蔵元である乃神輝義を演じたのが、名優・大杉漣であります。
実はワイナリーを実習先に希望していたこと、日本酒が苦手で飲めないことを正直に打ち明ける詩織に対して、笑みを浮かべ優しく接する姿。考え方は違えど経営の厳しい酒蔵をなんとか新しい方法で復活させようと奮闘する莞爾を時に厳しく、時に温かく見守る姿。まわりを温かく見守り支えとなってくれる蔵元は、大杉漣にぴったりの配役でした。
蔵元は物語の途中で亡くなってしまうわけですが、役を演じた大杉漣にとっても『恋のしずく』が遺作となりました。ご冥福をお祈り申し上げます。
『恋のしずく』は、劇中で描かれる日本酒造りのように懇切丁寧に仕上げられた素晴らしい映画です。まだ見たことがないという方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
そして、『恋のしずく』の舞台である酒都・西条へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
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※本ページの内容は、2021年3月1日時点の情報です。最新の情報は、dTVの公式ページにてご確認ください。