※この記事はネタバレを含みます。
大ヒット映画『君の名は。』の新海誠監督の最新作『天気の子 』。前作の影響で公開前から大きな話題となり、待ちに待った公開後は期待どおり前作を上回る観客動員数で最高のスタートを切りました。「愛」という同じテーマを扱う両作品ですが、誰が観ても分かりやすい且つ感動できるストーリーの『君の名は。』とは違い、今作は全てを語らず見る側に「これはどういうことなんだろう?」と物語の背景を考えさせるようなストーリーとなっていました。『君の名は。』より以前に制作された新海誠監督の映像作品を見ると、今作の『天気の子』の方がより監督らしい映画に仕上がっていると言えるかもしれませんね。
私も公開後少し遅れて劇場に足を運びましたが、映画本編を観終わった後こう思った方は多いのではないでしょうか。
「天気の子というタイトルは結局どう意味だったのか・・・」
たしかに主人公の帆高と晴れ女の陽菜を中心に「天気」という要素は物語の中で何度も出てきましたが、具体的にタイトルの意味については触れられていなかったように思います。そこで、本編では描かれなかった「物語や登場人物の背景」について考えてみたところ、『天気の子』というタイトルの意味についてとんでもない仮説が浮かびあがりました。
あくまで私個人の考察ですので、実際の設定とは違うのかもしれませんが、どうか温かい目で読んでいただけますと幸いです。
目次
『天気の子』ってどんな映画?
高校生の森嶋帆高は、離島から家出をして東京にやってきた。そんなある日、弟と2人で暮らしている少女・天野陽菜に出会う。陽菜は「祈る」ことで天気を晴れに変える力を持っていた。
引用元:MIHOシネマ
【作品情報】
監督・脚本・原作:新海誠
アニメーション制作:コミックス・ウェーブ・フィルム
キャスト:醍醐虎汰朗(森嶋帆高役)、森七菜(天野陽菜役)、吉柳咲良(天野凪役)、小栗旬(須賀圭介役)、本田翼(須賀夏美役)
主題歌:RADWIMPS『愛にできることはまだあるかい』
公開:2019年
陽菜の母親も『天気の子』だった
映画冒頭のシーンでは、陽菜がビルの屋上の鳥居から空に願った瞬間に「不思議な力(100%晴れ女の力)」を手に入れたように描かれていました。これは連日大雨が続いていたため、病気の母親に晴れた空を見せたいと陽菜が起こした行動でしたね。
まず、そもそもこの大雨の原因は陽菜の母親にあったのではないかと思うのです。実は母親も陽菜のような「不思議な力(天気を操る力)」を元々持っていて、病気になり衰弱してしまったがためにその力も弱まり天気が不安定な状態になってしまったのではないでしょうか。本来この力は「天気を調整するための力」であり、人柱は天気の調整役として代々この能力を受け継いできたのだと思います。物語中盤では神社の神主のような人が、人柱という存在は他にも存在していたような発言がありましたよね。つまり陽菜はその血を継いだ「不思議な力」の継承者であり、冒頭のシーンはあくまでこの能力が目覚めたきっかけに過ぎなかったのです。
陽菜がいつも首に身につけている「青い石のついたチョーカー」は、もともと病室で母親が腕に身につけていましたし、この青い石も「不思議な力」を使うための鍵だったのかもしれません。その理由に、終盤に帆高が陽菜を雲の上から救い出して屋上の鳥居に戻ってきたシーンでは、陽菜のチョーカーの「青い石」は割れてしまっており、その後は「晴れ女」としての力を使うことはありませんでした。これは使わなかっただけではなく、使えなかったという理由もあるのかもしれません。ラストシーンでも、ようやく再会を果たした陽菜が空に向かって願っても「不思議な力」は発動しませんでしたよね。
雨の雫の魚は『天気の子』の成れの果て
不思議な力に目覚めた陽菜は、人の役に立つため晴れ女として活躍します。ところがこの能力はあくまで「天気を調整するための力」であり、結果として陽菜は能力を使い過ぎてしまいました。そのせいで陽菜の体の一部はまるで水のように透明になってしまいます。
この体が透明になった部分、これって「雨の雫の魚」の色とそっくりではありませんか?
ちょっとこわい話になってしまうのですが、この魚たちはかつて「天気の子(人柱)」だったのではないでしょうか。陽菜のように能力を使い過ぎてしまった天気の子が魚たちの正体なのだとすれば、つまり「天気を操る」=「魚(天気の子)を操る」と考えることができます。元は同じ能力の血を継いでいる人柱だったわけなので、能力を使って操ることができるというにも納得できますよね。
『天気の子』には2つの意味があった
上記の2つの仮説をヒントにまとめると『天気の子』とは、
- 「天気を操る能力」を持つ母の血を引き継ぎ生まれた『陽菜』のこと
- 大人子供問わず、天から力を授かったすべての人柱の総称
をあらわしているのではないかと私は思いました。
1つ目は陽菜自体のことを意味し、2つ目は天から見たら人間は子供のような存在なのではという意味になります。
私はこの結論となりましたが、あなたはどうでしたでしょうか?観る人それぞれに違った感想や考察が生まれるのも、こういった映画の面白さですよね。
『天気の子』には小説版があるのをご存知ですか。
私はまだ読んではいないのですが、もしかしたらこれらの細かな背景や設定について小説版の方には描かれていたりするかもしれません。気になる方は読んでみてはいかがでしょうか。
5月27日に『天気の子』Blu-ray&DVDが発売!
2020年5月27日ついに『天気の子』のBlu-ray&DVDが発売されます。
上映期間が長かったこともあり、公開日の2019年7月19日から発売までかなり時間が空いたように感じます。帆高や陽菜たちに会える日が本当に待ち遠しいです。前作『君の名は。』に続き新海誠監督の大ヒット映画となりましたし、地上波放送も近いのかもしれませんが、「早く『天気の子』を見たい!」という方は、Blu-ray&DVDもチェックしてみてくださいね。
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※本ページの情報は2020年11月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。